Stable Diffusionで画像生成をVPSで動かす【GPUなしの現実】

※本ページには広告(アフィリエイトプログラム等)が含まれます。

※本ページには広告(アフィリエイトプログラム等)が含まれます。GPU の料金は 2026年8月16日時点で各社公式サイトに記載されていた税込価格、サーバーの出力は同日に運用中の VPS(Debian 12)から採取した実測値です。

🎯 結論:普通の VPS では動かない。GPU は「借りっぱなし」ではなく秒課金で使う

結論から書きます。Stable Diffusion のような画像生成は GPU(VRAM)がほぼ必須で、月額数百円の一般的な VPS では動きません。手元の VPS で確認したところ、そもそも GPU デバイスが存在しませんでした。

そして GPU を借りる場合、常時起動すると桁が変わります。さくらの高火力 DOK を例にすると、V100 を 24 時間動かし続けた場合の月額は 41,472 円。同社の一般的な Linux VPS(1GB・月 880 円)の 約 47 倍です。

  • 秒単位の従量課金を使う → 高火力 DOK は V100 が 0.016 円/秒、初期費用無料
  • 1 日 1 時間の利用なら → V100 で月 1,728 円。常用しないなら十分現実的
  • ⚠️ H100 を常時起動 → 月 725,760 円。止め忘れが致命傷になる
  • 普段の Web サーバーに同居させる → GPU が無いので不可能。別環境を用意する

なぜ一般的な VPS では動かないのか

GPU デバイスが存在しない

「VPS を借りているから、そこで動かせないか」と考えるのは自然ですが、Web サーバー用途の VPS に GPU は載っていません。手元の環境で確認するとこうなります。

$ nvidia-smi
bash: nvidia-smi: command not found

$ ls /dev/nvidia*
ls: cannot access '/dev/nvidia*': No such file or directory

「VGA コントローラ」はあるが GPU ではない

紛らわしいのがここです。`lspci` を叩くと VGA コントローラが 1 つ見つかります。

$ lspci | grep -i vga
00:02.0 VGA compatible controller: Device 1234:1111 (rev 02)

ベンダ ID の `1234` は QEMU の仮想ディスプレイアダプタです。コンソール画面を出すためだけの存在で、CUDA は動きません。「VGA があるから描画できるのでは」と期待しても無駄骨になります。

メモリの桁も足りない

$ free -h
               total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:           958Mi       489Mi       123Mi        58Mi       573Mi       468Mi

$ nproc
2

物理メモリ 958MB、2 vCPU。GPU を使わない CPU 生成という選択肢も理屈としてはありますが、この規模では現実的な時間で終わりません。別環境を用意する、が唯一の答えです。

GPU を借りる:実際の料金

さくらの高火力 DOK(秒単位の従量課金)

公式に記載されている料金です。すべて税込・2026年8月16日時点。

プラン VRAM 秒単価 時間単価 最低利用
NVIDIA V100 32GB 0.016 円 57.6 円 1 秒
NVIDIA H100 80GB 0.28 円 1,008 円 60 秒
NVIDIA H100 ×8(β) 80GB × 8 0.83 円 2,988 円 60 秒

初期費用は無料、課金は従量制です。V100 は最低利用が 1 秒なので、生成のたびに起動して終わったら止める、という使い方ができます。

ほかの選択肢

国内では GPUSOROBAN も選択肢に入ります。公式には 1 時間 50 円からと記載があり、NVIDIA A4000 / A100 / H200 / HGX H200 などのインスタンスが並んでいます。停止中は課金されない点も同じ考え方です。

⚠️ 各社とも構成によって単価が変わるので、使いたい VRAM 帯が決まってから見積もるのが確実です。

止め忘れると何が起きるか

秒課金は安く見えますが、掛け算すると印象が変わります。高火力 DOK の単価で計算するとこうなります。

使い方 V100 H100
1 日 1 時間 × 30 日 1,728 円 30,240 円
1 日 8 時間 × 30 日 13,824 円 241,920 円
24 時間 × 30 日(常時) 41,472 円 725,760 円

H100 を止め忘れて 1 か月放置すると 72 万円です。従量課金は「使わなければ安い」と同時に「止めなければ青天井」でもあります。

常時稼働の Web サーバーとは分けて考える

用途がまったく違う

用途 向く環境 目安の月額
Web サイト・API の常時稼働 一般的な Linux VPS 880 円〜
画像生成(たまに使う) GPU の秒課金 1,728 円〜(1日1時間)
学習・大量生成 H100 クラス 30,240 円〜

Web サーバーは止められない代わりに安い、GPU は高い代わりに止められる。この性質が逆なので、同居させるメリットがありません。

常時稼働との倍率

V100 を常時起動した 41,472 円は、Linux VPS の 1GB プラン(880 円)の 約 47 倍です。「とりあえず立てて放置」が最も高くつく構成だと分かります。

データの置き場は分ける

GPU 環境は使い捨てにするのが前提なので、生成物やモデルの置き場は別に用意してください。GPU インスタンスを止めるたびに消える設計にしておくと、止めることへの心理的な抵抗がなくなります。

VRAM をどう選ぶか

まず「載るかどうか」

画像生成で最初に効くのは VRAM です。モデルの重みが VRAM に載らなければ、そもそも動かないか、極端に遅くなります。

高火力 DOK の場合、選べるのは 32GB(V100)80GB(H100)です。単価は約 17.5 倍違う(57.6 円 vs 1,008 円)ので、32GB で足りるかどうかが費用を大きく左右します。

速度は「時間単価 × 所要時間」で見る

単価が高いモデルでも、処理が速く終われば総額は逆転しえます。比べるべきは時間単価ではなく、1 件あたりの総額です。

秒課金なので、実際に自分のワークロードを両方で 1 回ずつ流して測るのがいちばん確実です。V100 は最低利用 1 秒なので、試すコスト自体はほぼゼロで済みます。

迷ったら安いほうで測る

いきなり H100 を選ぶ理由はありません。V100 で動くなら V100 で十分で、動かない・遅すぎると分かってから上げれば、判断の材料も揃います。

よくある質問

Q1. 月額数百円の VPS で Stable Diffusion は動きますか?

結論:動きません。GPU デバイスがそもそも存在しないためです。手元の VPS で確認したところ `nvidia-smi` は未インストール、`/dev/nvidia*` も存在せず、`lspci` に見える VGA コントローラは QEMU の仮想アダプタ(ベンダ ID 1234)でした。CUDA は動きません。

Q2. GPU を借りるといくらかかりますか?

結論:さくらの高火力 DOK なら V100 が 0.016 円/秒(1 時間 57.6 円)、H100 が 0.28 円/秒(1 時間 1,008 円)です。2026年8月16日時点の税込価格で、初期費用は無料。従量課金なので使った秒数だけの請求になります。

Q3. 常時起動するといくらになりますか?

結論:V100 で月 41,472 円、H100 で月 725,760 円です。一般的な Linux VPS の 1GB プラン(月 880 円)と比べると V100 でも約 47 倍。GPU は「止める前提」で使う環境です。

Q4. V100 と H100 はどちらを選ぶべきですか?

結論:まず V100 で試してください。時間単価は 57.6 円と 1,008 円で約 17.5 倍違います。VRAM は 32GB と 80GB。V100 は最低利用が 1 秒なので、試すコスト自体がほぼかかりません。動かない、または遅すぎると分かってから上げるのが合理的です。

Q5. 今使っている VPS に GPU を追加できますか?

結論:できません。GPU は物理的なハードウェアなので、契約済みの VPS プランに後付けする形にはなっていません。GPU が必要なら、GPU 付きのサービスを別途契約する形になります。

Q6. CPU だけで生成できますか?

結論:理屈の上では可能ですが、一般的な VPS の構成では現実的ではありません。手元の環境は 2 vCPU・メモリ 958MB で、この規模では実用的な時間で終わりません。メモリにモデルが載るかどうかの段階で詰まります。

まとめ

画像生成を VPS でやろうとすると、最初にぶつかるのは「GPU が無い」という単純な事実です。手元の環境でも `nvidia-smi` は入っておらず、見えている VGA は QEMU の仮想アダプタでした。

  • 🎯 普通の VPS では不可 → GPU デバイスが存在しない
  • 🎯 借りるなら秒課金 → V100 0.016 円/秒、初期費用無料、最低 1 秒
  • 🎯 止め忘れが最大のリスク → H100 の常時起動は月 72 万円

料金は改定されます。この記事の数値は 2026年8月16日時点のもので、サーバーの出力は同日に運用中の VPS から採取したものです。API 側の費用を詰める話はLLM API のコスト最適化、常駐処理の組み方はsystemd のユニットファイル、メモリ不足の対処はスワップの追加にまとめています。

読んで頂いて有り難うございます!